2017/09/06

スタンディングデスクの効果はいかに?

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座っていがちな日常生活に潜む危険

 

自動化が進行する今日の社会では、ますます座りがちな生活になっています。特に、オフィスでの仕事では、1日6時間から12時間もを座ったまま過ごします。オフィスでの時間に加えて、通勤や仕事以外の時間も考慮に入れると、想像以上の長時間となります。こうして考えてみると、オフィス勤務は健康的な空間とは言えません。

 

身体 に負担がかかる座り方が健康と生産性に悪影響を及ぼす可能性があることを示す複数の研究があります。例えば、123,000人の成人を対象に実施された、米国癌協会による2010年の研究では、1日6時間以上座った状態でいると死亡率が最大37%増加することがわかっています(注釈1)。こちらのページ書では、長時間座っていることが及ぼす悪影響と、立ち位置に切り替え可能な人間工学的デスクの利点について解説します。さらに、昇降タイプのスタンディングデスクの正しい使い方についてもご紹介します。

 

 

長時間座っていると体内で起こること

 

長時間座っていることの主な悪影響の1つとして、体内循環の低下が挙げられます。座っている状態では、血液は体中を常にゆっくりと流れ、体液は足に留まる傾向にがあります。立っている状態の時と比べると、細胞の酸素交換は、さほど効率的ではありません。座った姿勢では、動脈が脂肪酸によって詰まりやすくなります。これは、静脈瘤、足首のむくみ、血栓、脳卒中、心血管疾患、高血圧、さらには心臓発作など、その他の多くの問題を引き起こす可能性があります。

 

心臓へのダメージに加えて、座った状態でいることはまた別の器官に悪影響を及ぼす可能性があります。インスリンを産生する器官である膵臓です。インスリンは体全体の細胞にグルコースを運び、エネルギーをもたらします。しかしながら、筋肉が活動的でないとき、筋肉はインスリンに対してあまり反応しません。この現象に膵臓が騙されてしまい、必要以上のインスリンを産生し、糖尿病のような障害をもたらす可能性があるのです。

 

体重増加も座りがちなライフスタイルによる悪影響と言えるでしょう。この理由の1つとして、座っていると脂肪燃焼剤であるリポタンパク質リパーゼと呼ばれる体内酵素の働きが悪くなることが挙げられます(注釈 2)。Mayo Clinicの研究者James Levineによって行われた研究では、複数のオフィスワーカーをモニタリングし、体重増加と毎日の運動量の関係を調査しました。調査結果では、座りがちな人は体重が増えた一方で、座っている時間が他のワーカーより2.25時間以上短い人には体重の増加は見られませんでした (注釈 3)。さらに、別の研究では、午後には座らずに立って仕事をすると、170カロリーが余分に消費される可能性があることが示されています(注釈 4)。時間が経つにつれて、こういった差が積み重なり体重や全体的な健康状態に大きな違いが生まれるのです。

 

長時間座っていると、姿勢や快適さも損なわれます。座っていると、背骨が「C」のように変形し、脊椎椎間板が不均一に圧縮されます。これにより、体重が尾骨に偏り、腱や靭帯の周りのコラーゲンが固くなります。こうして、長期間座っている人は椎間板ヘルニアの危険性も高まるのです。対照的に、健康な脊椎は「S」の形をしており、椎骨間の椎間板は新鮮な血液と栄養素を吸収することができます。座ることが多い人は、背中、脚、首、肩の痛みを感じることが多くなります。これは、背骨が不自然な形になっているためです。座っていると、腹部や臀部などの筋肉を使用する必要がなくなるため、時間の経過と共に、筋肉が劣化する恐れがあります。

 

最も恐ろしいことに、長時間の座位姿勢と、ある種の癌リスクの関係が研究によって明らかになっています。米国国立癌協会のジャーナルに掲載された研究によると、日中座っていることが多い人は、活発な人よりも癌のリスクが最大66%高くなることが発見されたのです (注釈 5)。さらに、米国癌協会の研究によると、1日6時間以上座っている女性は、乳がん、卵巣がん、および多発性骨髄腫と呼ばれる血液がんにかかりやすいとも報告されています(注釈 6)。長時間座ると、なぜ癌にかかる可能性があるのか。この点に関してはいくつかの理由が説明されています。過剰なインスリンが細胞増殖を促進する可能性があるということです。もう一つの潜在的要因として、日常的な運動によりは、細胞損傷剤を破壊する自然な抗酸化剤が分泌されているということが挙げられます。理由が何であれ、これらの関係を無視することはできません。

 

 

健康リスクを回避するには?

 

上記の健康被害から明らかなように、長時間の座位姿勢は身体にとって自然でも健康的でもありません。多くの人は、毎日の推奨運動量を実行することで、長時間座っていることの悪影響を打ち消すことができると思っているでしょう。しかしながら、複数の研究により、それが間違いであることが証明されています。定期的な運動により、確かにこれらの要因のいくつかのリスクを低減することはできますが、完全に打ち消すことができるものではありません。最も建設的な解決策は、より多くの運動ではなく、座位時間を減らすことなのです(注釈 7)。この解決策が広く認識されるようになってきており、従業員のために人間工学を考慮したオフィス家具を取り入れる努力をしている企業もあります。オフィスにいる間に健康と生産性を向上させるための最善の方法は、昇降タイプのスタンディングデスクを使用することです。昇降タイプのスタンディングデスクにより、立ち作業と座り作業を切り替えることができ、長時間の座位から解放されます。これらのフレキシブルなデスクには多くの利点があります。

 

 

スタンディングデスクの効果

 

昇降タイプのスタンディングデスクにより、体内の循環が促進され、上記の心血管系のリスクを軽減することができます。立位をとることにより、全身に簡単かつより速く血流を循環させ、筋肉に酸素を供給できます。これにより、深刻な心臓の問題を防ぐことができるだけではなく、集中力やエネルギーも向上します。

 

また 、立ち上がることで肺が伸び、より多くの酸素が供給されるので、精神機能が高まります。立位とこれらの心理的メリットの関係を扱った研究もあります。テキサスA&Mヘルスサイエンスセンター公衆衛生学校によって行われた研究では、スタンディングデスクを使った小学生が、着席している小学生よりも、集中できていることがわかっています。さらに、全体で12%の能力向上も報告されています(注釈 8)。さらに、6か月間にわたってコールセンターの従業員を対象とした調査を実施し、座って作業した場合と、スタンディングデスクを使って作業した場合の生産性レベルを比較しました。結果はスタンディングデスクを使用した方が、座って作業した場合より、45%生産性が高いというものでした (注釈 9)。このような生産性の向上は言うまでも無く、職場環境において非常に重要です。

 

心理面でも、スタンディングデスクは良い影響を与えるとされています。米国国立衛生研究所が発表した「Take-a-Stand Project」という調査では、スタンディングデスクを使用しているかどうかに関わらず、座りがちな仕事をしている従業員がいることが分かりました。スタンディングデスクを使用していた間、活力、エネルギー、幸福度の増加という形で気分レベルが高まったとも報告されています。しかし、通常のデスクに戻ると、気分レベルは基準レベルに戻ったというのです(注釈 10)

 

昇降タイプのスタンディングデスクの多くの利点が明かされた今、その使用法を知ることが重要です。こちらでは、昇降タイプのスタンディングデスクを最大限に活用するヒントをご紹介します。

 

 

スタンディングデスクの効果を高めるヒント

 

1. 姿勢を変える

一日中座った状態でいることが身体に悪いのと同様に、一日中立っていることも健康には良くありません。何時間も立ち続けると、背中や足の痛みが起こります。30〜60分ごとに姿勢を替えることをお勧めします。座位時間と立位時間の最適な比率は、1:1または2:1です。座っている時間と立っている時間のバランスをとると、より良いでしょう(注釈 11)。初めてスタンディングデスクを使用する場合、これだけの時間立っているのは難しいかもしれません。まずは短期間立ち続けることから始めて、その後、少しずつ長い時間立ち続けるようにしてください。

 

2. 最適な姿勢を維持する

昇降タイプのスタンディングデスクを効果的に使用するためには、正しい姿勢を維持することが重要です。肘は90度に、モニターは目の高さに合わせてください。筋肉に負担をかけたりしないように注意してください。常に最適な高さで作業するには、メモリ機能を備えた昇降タイプのスタンディングデスクを購入することを推奨します。これにより、ボタンを押すだけで、スタンディングデスクを最適な高さに変えられる他、さまざまな高さ設定をプログラムできます。

 

3. 足を保護する

長時間立っているときには、土踏まずをサポートする快適な靴を履くのがおすすめです。こうすることで、不快感を防ぐことができ、長期的に考えても大きな健康被害を予防することができます。さらに、疲労感を軽減させるマットの購入もお勧めします。体全体のバランスを保ち、筋肉を収縮させ、血液をよりスムーズに循環させます。

 

4. 動くことを意識する

立位状態は長時間座位でいるよりずっと良い方ですが、それだけではあらゆるリスクを排除することはできません。代わりに、オフィスワーカーは一日を通して、もっと動く努力をする必要があります。たとえば、より多くのトイレ休憩を取る、ウォータークーラーまで歩く、電子メールを送るのではなく同僚のデスクまで歩く、などです。スタンディングデスクを使用し、立ち作業をすると、このような動きが容易になります。

 

5. 作業に適している姿勢を知る

スタンディングデスクを使い始めると、立位に適した作業、座位に適した作業があることに気付くことでしょう。一般的には、座位は文書作成に最適であり、立位は共同作業に適していると言われています。

 

結論として、スタンディングデスクは今日の座りがちなライフスタイルの解決策となり得ます。スタンディングデスクに関するこれらの推奨事項を取り入れれば、健康、生産性、気分の大幅な改善に気づかれることでしょう。スタンディングデスクを短時間から使い始めて、より長時間を立ち作業を行うようにし、大切な身体を労りましょう。スタンディングデスクの詳細については、こちら をご覧ください。

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